技術

AI時代に実装力はどう変わるのか?──コードを書く能力は本当に不要になるのか

AIがコードを書くこと自体は、もう珍しい話ではなくなった。GitHub Copilot、Claude Code、Codex、ChatGPT。名前を挙げ始めればきりがないし、どれが優れているかという話も、もはや本質ではない。重要なのは、「AIが実装に関与する」という前提が、すでに日常になってしまったという事実だ。この状況で、決まって聞こえてくる言葉がある。AIに実装を任せると、実装力が落ちる。直感的...
技術

TechLibを触ってみた | 方向性は良い、値段は安い。でも冊数は正直まだ少ない

はじめに技術書サブスクというジャンルは、ずっと「需要はあるのに決定打がない」状態が続いてきた。O’Reilly Japanの実質撤退以降、その空白はなおさら大きい。そんな中で登場したのが TechLib(テックリブ)。ITエンジニア向け技術書に特化した読み放題サービスということで、少し気になって触ってみた。結論から言うと、方向性はかなり良い価格設定も正直かなり安いただし、現時点では冊数が少ないこの...
音楽

NICEHCK Himalaya レビュー|華やかな中域とスピード感、クールにまとまった1DD

はじめにNICEHCK Himalaya は、同社ラインナップの中でも明確にフラッグシップ寄りに位置づけられる 1DD(ダイナミックドライバー1基)構成のイヤホンだ。価格帯は決して安くなく、いわゆる「中華イヤホンのコスパ枠」として語るモデルではない。本レビューでは、過剰な賛美や「価格以上に鳴る」といった曖昧な表現を避け、実際に聴いて感じた音の完成度とキャラクターを、できるだけ整理して伝えていく。試...
音楽

Kiwi Ears Aether レビュー | モニター的なのに心地よい、“平面一発の完成形”

はじめにKiwi Ears Aether は 15.3mm の平面磁気ドライバー単発という珍しい構成を採るイヤホンだ。一般的な“平面=刺さる/薄い”というイメージとは違い、非常に自然で扱いやすい音に仕上がっている。結論としては、クリアでニュートラル。女性ボーカルが特に美しい。平面ドライバーの長所を活かしつつ、欠点は最小限に抑えたバランス型。試聴環境DAP:iBasso DX340(4.4mmバラン...
音楽

AFUL Performer 5+2 (Performer 7) レビュー|タイト低域と整理された中域、扱いやすいAFULサウンド

はじめにAFUL の Performer シリーズは、独自の音響チューブ構造と RLC ネットワークによって、タイトで情報量の多いサウンドを生み出すのが特徴だ。今回の Performer 5+2(Performer 7) は「Performer 5 の進化版」とされるが、実際に聴くと Performer 8 の“穏やかで扱いやすいバージョン” に近い仕上がりだった。低域は量感を維持しつつ膨らまず、...
音楽

AFUL Performer 8 レビュー|量感ある低域と鋭い高域のリアルなバランス

はじめにAFUL のハイブリッド機は、独自の音響チューブ構造による“タイトで情報量の多いサウンド”が特徴だ。今回の Performer 8 は、その方向性をより先鋭化させた 1DD+7BA の上位モデル。低域は量感をしっかり出しつつも膨らまず、高域は鋭いエッジを伴って細部を描き切る。一方で、シンバルの倍音が強調されるなど、隠れたクセもある。良いところも弱点も含めて、“リアルにどう聴こえるのか” を...
音楽

Kiwi Ears Quintet レビュー|沈む低域、前に出るボーカル、抜ける高域。派手さより“完成度”を選んだクール系ハイブリッド

イヤホンのチューニングには避けられない三角関係がある。低域を沈ませれば中域が埋もれ、高域を伸ばせばボーカルが後ろに下がる。帯域をすべて主張させながら破綻なくまとめるのは簡単ではない。Kiwi Ears Quintetは、その難題を真正面からクリアしている。派手さで“分かりやすい感動”を与えるタイプではない。だが、長時間向き合うほど「このイヤホンは設計がうまい」と分かる。そんなモデルだった。試聴環境...
技術

ターミナル作業が少し楽になるツールの紹介(2025)

ターミナルでの作業は、基本的なコマンドだけでも十分こなせる。とはいえ、日常的に触るからこそ「もう少し見やすいと助かる」「よく使う操作を簡単にしたい」と思う場面も少なくない。ここでは、そうした“ちょっとした不便さ”を解消してくれるツールをいくつか紹介する。派手さはないが、作業の流れが自然に整うものばかり。fzf — コマンド履歴やファイルをすぐに探せるfzf は、インタラクティブに検索できるツール。...
音楽

KZ PRX レビュー | 2,500円台で聴ける“理性的ドンシャリ”

はじめにまたイヤホンを買ってしまった。しかも旅先で(笑)今回のターゲットは KZ PRX。AliExpressでなんと2,500円台という価格で売られていたプラナー一発モデルだ。国内Amazonでは9,800円前後。つまり、同じ製品が約4倍の価格差で流通している。どう考えても価格バランスが崩壊している。期待半分、ネタ半分で注文したのだが──実際に聴いてみたら、「これはネタじゃなくてマジで良い方のK...
音楽

Kiwi Ears × HBB Punch レビュー | 贅沢な構成に潜む“惜しさ”。Knowles+Sonionの実力を活かしきれなかった理由 ―

はじめにKiwi Ears × HBB Punch。構成だけ見れば、まるでハイエンド機のようだ。10 mmダイナミックドライバー、Knowles BA ×2、そしてSonion EST ×2――オーディオファンなら誰もが「これは来た」と思うラインナップ。ただ、実際に聴いてみると第一印象は「全体的に眠い音」。低域も高域もきちんと出ているのに、全体にキレがなく、熱量が伝わってこない。「悪くはないけど、...
ガジェット

DX340でApple Musicにログインできない原因はYubiKeyだった|Apple ID二要素認証の落とし穴

はじめにiBasso DX340でApple Musicを使おうとしたら、ログイン画面でこうなった。「信頼されたデバイスへ認証番号を送信しました」……なのに、iPhone側には通知だけ届いて6桁の確認コードが表示されない。まさかの詰み案件。調べてもどこにも情報がなく、完全に行き止まり。結果から言えば、YubiKeyをApple IDに登録していたのが原因だった。この記事では、その再現手順と原因の仕...
技術

RubyGems騒動:信頼を壊して信用を守った非営利団体 ― OSSガバナンスの限界

はじめに2025年秋、Rubyコミュニティを揺るがす事件が起きた。RubyGems/Bundler のメンテナーが突然アクセス権を剥奪され、世界中の開発者が騒然とした。決断を下したのは、RubyGems.orgを運営する非営利団体 Ruby Central(以下、RC)。理由は「ガバナンス強化」だったが、その裏にはもっと現実的な動機――資金と責任の問題があった。事件の経緯RCがボランティアメンテナ...
RailsからLaravelを眺める

RailsのConcernsとLaravelのTraits | コード再利用の文化の違い

※本記事は「RailsからLaravelを眺める」シリーズの第14回です。Rails出身の私がLaravelを触りながら、Railsと比較して違いを整理していく連載になります。はじめにWebアプリケーションを開発していると、複数のモデルで同じような機能を実装したくなる場面は頻繁に訪れます。「記事も商品も公開/非公開の状態を持つ」「ユーザーも投稿もタグ付けできる」といった横断的な機能をどう実装するか...
技術

2025年最新版:SameSiteとPartitioned Cookies(CHIPS)を徹底解説 ― ログインが切れる理由と正しい設定方法

はじめに「突然ログインが切れた」「外部サービスが動かなくなった」「iframe内でログインできない」もしそんな経験があるなら、それは Cookie仕様の変化 が原因かもしれません。特に、2025年現在のWebブラウザは SameSite属性 と Partitioned Cookies(CHIPS) という新しいルールを採用しています。これを知らないと、何気ない挙動変更が本番トラブルに直結します。こ...
RailsからLaravelを眺める

【2025年版】Rails 8とLaravel 12のセキュリティ実装比較 | 認証・CSRF・XSS対策のコード例

※本記事は「RailsからLaravelを眺める」シリーズの第13回です。Rails出身の私がLaravelを触りながら、Railsと比較して違いを整理していく連載になります。はじめに今回のテーマはセキュリティ実装です。Railsでは当たり前だった「デフォルトで安全」という考え方が、Laravelではどのように実現されているのか。認証、CSRF対策、XSS対策など、Webアプリケーションの基本的な...
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